樹木葬は、自然葬の一つであり、墓石でつくる墓標の代わりに植樹をします。「墓地埋葬法」による許可を得た墓地に遺骨を埋葬するので、散骨とは違います。通常の墓石を立てる場合と同じように、決められた区画に対し使用料と管理費を支払っていくシステムですが、継承者がいなくても良いという点が、大きな特徴になります。樹木で永代供養をすることになるので、墓地や霊園の経営主体や運営会社が供養をしてくれます。無縁仏となった場合の心配がいりません。今の日本で最も多く利用されているのは桜で、「桜葬」と呼ばれることもあります。その他に樹木葬で多く植えられるのは、ハナミズキ、サルスベリ、ヤマツツジ、エゾアジサイ、ウメモドキなどの綺麗な花の咲く、低木です。広葉樹、常緑樹を使用することもあります。遺骨を埋葬するたびに新しい苗を植える場合や、墓地の中心部分にシンボルとなる樹木を植えてその周辺に遺骨を埋葬するケースなど、様々な方法が見られます。植樹する地域で生態系に悪影響を与えないことなどに配慮しながら検討されるため、自然環境の維持保全という社会貢献にもなっています。一般的に墓地を購入して墓石を建てる費用相場は約200~300万円と言われますが、樹木葬の相場は約30~70万円と格安です。家や宗教に縛られず、自然の中でゆっくり眠りたいという人の支持を集めています。